美容室開業に必要な手続きとは?届け出の種類・タイミング・注意点を徹底解説
2024年09月14日
2025年07月15日 更新

目次
美容室を開業するには、保健所や消防署、税務署など複数の行政機関への届出が必要です。
届け出の内容やタイミングを誤ると、営業できなくなるリスクもあるため、事前にしっかりと確認しておくことが重要です。
この記事では、2025年現在の基準にもとづき、美容室開業時に必要な各種手続きや注意点を詳しく解説します。
美容室開業に免許や資格は必須?
美容師免許や資格について
美容室は美容師免許を取得していなくても開業できます。
ただし、お客様に施術を行えるのは美容師免許を取得している美容師だけです。
美容師法で、以下のように定められています。
(無免許営業の禁止)
第六条 美容師でなければ、美容を業としてはならない。
違反した場合は、次の恐れがあります。
【罰則など】
- 30万円以下の罰金(美容師法第18条の1)
- 今後、美容師免許を与えられなくなる(美容師法第3条の2)
つまり、美容師免許を保有していない方は、美容師を雇用して美容室を開業する必要があります。
また、美容師の数が2名以上になる場合は、店舗を衛生的に管理するため管理美容師の配置を求められます。
管理美容師の条件は、美容師免許を取得してから、3年以上、美容業務に従事し、都道府県知事が指定した講習会の課程を修了することです(美容師法第12条の3の2)。
開業を検討している方は、以上の点を理解しておきましょう。
保健所への届け出と検査
美容室を開業する場合、保健所への届け出は欠かせません。漏れのないように対応しましょう。
美容所開設届の提出
美容室を開設するには、まず保健所への「美容所開設届」の提出が必要です。これは、営業開始の10日前までに提出する必要があります。
施設の構造や設備が、各自治体の定める基準に適合していることが条件です。
提出時には、図面・資格証のコピー・設備一覧などの書類も必要になります。
実地検査と営業許可
保健所の担当者による現地確認(実地検査)が行われ、問題がなければ営業許可が下ります。
検査当日にスムーズに進められるよう、開業準備の完了タイミングにも注意しましょう。
自治体の電子申請システムの活用が可能な場合も
保健所への「美容所開設届」は、一部の自治体で電子申請に対応しています。「LoGoフォーム」や「ぴったりサービス」などのオンライン窓口を活用することで、申請書を印刷せずに手続きが完了する場合もあります。
対応状況は各自治体の保健所ページで確認しましょう。
消防署への届け出
防火対象物使用開始届出書の提出
美容室の内装や設備によっては、消防署への届け出も必要です。とくに以下のようなケースに該当する場合は注意が必要です:
- 新たに美容室を内装工事で作る場合
- 延べ面積が100㎡を超える場合
- 不特定多数の出入りがある商業施設内にある場合
該当する場合、「防火対象物使用開始届出書」や「消防用設備等設置届出書」などを所轄の消防署に提出します。
防火管理者の選任と注意点
消防法に基づいた設備の設置や防火管理者の選任が求められることもあるため、内装業者などと相談しながら早めに準備を進めましょう。
「全ての手続きが複雑そうに見える…」「初めてだから間違いなく手続きができているか不安」という方は、開業支援経験のある企業にサポートを依頼することもおすすめです。
美容室開業支援サービスhakoでは、独立する美容師様への開業支援をおこなっております。
開業にあたってのサポートだけでなく、自己資金0で美容室を持つことも可能なため、お気軽にご相談ください。
税務署への届け出
開業届の提出
開業日が決まったら、税務署への「個人事業の開業・廃業等届出書」の提出が必要です。原則として、開業から1ヶ月以内に提出します。
開業届のフォーマットは国税庁のホームページよりダウンロードできます。
青色申告承認申請書の提出
開業届と併せて提出したいのが、「青色申告承認申請書」です。これを出すことで、最大65万円の控除など青色申告のメリットを享受できます。節税のためにも、できるだけ開業時に同時提出するのがおすすめです。
開業届や青色申告承認申請書はオンラインでの申請も可能です。
e-Taxを利用してオンラインで税務署への申請が可能
「開業届」や「青色申告承認申請書」などの税務関係の書類は、国税庁の「e-Tax(イータックス)」からオンラインで提出可能です。マイナンバーカードやICカードが読み取れるスマートフォンなどがあれば、自宅から簡単に申請ができます。
社会保険・労務関連の手続き
労働保険(労災・雇用保険)
スタッフを雇用する場合、労災保険は1人でも必須です。雇用保険は、週20時間以上勤務するスタッフを雇用した場合に加入義務があります。
社会保険(健康保険・厚生年金)
常時5人以上の従業員を雇用する場合は、社会保険の加入が義務付けられています。開業前から社会保険労務士などの専門家に相談しておくと安心です。
屋号・名義・口座の準備
屋号付き口座の開設
税務署の手続きに関連して、屋号(サロン名)を決めたら、屋号付きの銀行口座を用意しておくと便利です。事業用とプライベートの出入金を分けられ、帳簿の管理や確定申告がスムーズになります。
屋号の開業届への記載
屋号で開業届を出しておくと、後の法人化や屋号入り口座の開設にも役立ちます。
必要に応じたその他の手続き
商標登録や保険加入
開業する地域や形態によっては、以下のような手続きが追加で必要になる場合があります。
- 商標登録:店舗名やロゴをブランドとして守るため
- 建築確認申請:スケルトン物件を大幅に改修する場合
- 家賃保証契約や火災保険契約:テナント契約において一般的です
事業形態や物件条件に応じて、必要な手続きをリスト化しておくと抜け漏れを防げます。
参照:商標登録出願について |特許庁
参照:建築確認申請について(建築基準法に基づく手続き)| 国土交通省
手続きスケジュールのイメージ
以下は、美容室開業に必要な主な手続きとそのタイミングの目安です。
タイミング | 主な手続き | 提出先 |
開業2〜3ヶ月前 | 保健所へ事前相談・物件図面確認 | 保健所 |
開業1ヶ月前 | 美容所開設届提出・消防署届け出 | 保健所・消防署 |
開業直前 | 開業届・青色申告申請書提出 | 税務署 |
雇用開始前 | 労災・雇用保険の加入 | 労働基準監督署・ハローワーク |
雇用後1週間以内 | 社会保険の加入手続き | 年金事務所 |
美容室を新たに開業する流れや必要な資金が知りたい方はこちらの記事もあわせてご覧ください。
関連記事:美容室開業に必要なものは?開業までの流れや費用、手続きのポイント
関連記事: 美容室開業に必要な資金とは?初期費用の相場・内訳・調達方法を解説
美容室開業時の罰則と注意点
美容室を開業するにあたって、必要な手続きを踏まないと、最悪の場合罰則を科される可能性もあります。事前にしっかりと確認しておきましょう。
無免許営業による罰則
美容師免許を持たずに施術を行った場合、美容師法第6条に違反する無免許営業と見なされ、最大30万円以下の罰金が科される可能性があります。また、今後美容師免許が与えられないなどの行政処分が下ることもあるため、スタッフ全員の資格保有状況には十分に注意しましょう。
消防・労務関連の法令違反リスク
消防設備が基準を満たしていないまま営業を始めたり、労働保険に未加入のまま従業員を雇用したりすると、是正命令や罰則の対象になります。最悪の場合、営業停止や損害賠償にもつながるため、専門家や行政窓口への事前相談を怠らないことが大切です。
美容室開業前に確認したいチェックリスト
美容室を開業する際に必要な手続きのチェックリストです。準備が進んでいるかを確認する際にぜひご利用ください。
手続き編チェックリスト
開業準備の中でも、特に重要なのが行政への届け出です。下記のチェックリストを使って、手続き漏れがないか最終確認しましょう。
手続き内容 | 提出先 | 完了チェック |
美容所開設届の提出 | 保健所 | □ |
消防署への使用開始届 | 消防署 | □ |
開業届・青色申告の提出 | 税務署 | □ |
労災保険・雇用保険の手続き | 労働基準監督署など | □ |
社会保険の加入(必要時) | 年金事務所 | □ |
運営準備・集客編チェックリスト
店舗運営や集客面でも、開業前に準備しておくべき項目が数多くあります。以下のリストを活用して、開業後すぐにお客様を迎えられる体制を整えましょう。
項目 | 補足 | 完了チェック |
サロン名・ロゴの決定 | 商標登録の検討も視野に | □ |
SNSアカウントの開設 | Instagram・LINEなど | □ |
メニュー・価格表の確定 | ターゲット層に合わせて設計 | □ |
スタッフ採用・研修 | 接客対応や技術の統一を確認 | □ |
POS・予約管理システムの導入 | 導入サポート付きのサービスも多数 | □ |
手続きに不安がある方はプロのサポートも活用を
美容室開業においては、複数の行政機関への手続きが必要になります。どれも営業に直結する大切な手続きなので、計画段階からスケジュールを立てて、抜け漏れなく準備することが成功の鍵です。
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