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美容室開業前にチェックしておきたいやることリストと成功の秘訣

2024年09月27日

2024年11月19日 更新

独立や開業を考えている美容師の方に向けて、美容室開業のために知っておきたいやることリストをご紹介します。

「独立して美容室を持ちたい!」と望んでも、「どのように開業すれば良いのか?」と立ち止まってしまう方は少なくありません。
開業経験のない方にとっては、美容室開業は人生においてとても大きなイベントでしょう。

そこで今回の記事では、美容室開業にあたって知っておきたい「やることリスト」を掲載しています。
参考にしていただければ、抜け・漏れなく、スムーズに美容室を開業し、成功を目指せるはずです。

美容室の開業するまでのやることリスト

美容室の開業を目指すのであれば、開業までにやるべきことを把握しておかなければなりません。
それでは具体的にどのようなことをしていけば良いのでしょうか?
これから開業を目指す方は、以下の「やることリスト」を参考にしながら準備を進めてください。

やること1:出店したいエリアの市場調査を行う

最初にやるべきことは、出店したいエリアの市場調査です。
調査しておきたいことも把握しておきましょう。

【調査しておきたいポイント】

  • 人口
  • 世帯数
  • 住民と近隣の年齢層
  • 住民と近隣の属性
  • 周辺施設
  • 競合となる美容室

エリア内の視聴調査は、実際に現地に行って行う以外にも、Googleマップなどのデータや口コミを参考にする方法もあります。
また他の店舗や顧客に対して調査したり、雑誌を使って調べる方法もあるでしょう。

市場調査は物件の予算を判断したり、美容室のコンセプトを決めるための重要な参考となります。
競合美容室も含めて考え、対象となるエリア内でどのような打ち出し方をすれば、より多くの方に受け入れられやすくなるでしょうか?
経営を左右する部分でもあるので、市場調査の結果を元に考えてみてください。

やること2:店舗のコンセプトを決める

市場調査を終えたら、店舗のコンセプトを決めましょう。
対象エリアの傾向から導き出したターゲットが好みそうなコンセプトを設定することが重要です。

ターゲットとなる人物は、どのような施術・メニュー・サービス・雰囲気を好みそうでしょうか?
店舗のコンセプトは内装などにも影響する要因なので、しっかりと核となるものを決めておくようにしてください。
コンセプトを決める際には、できるだけ具体的なところまで決めておくように心がけるとうまくいきます。

やること3:具体的な事業計画を立てる

店舗のコンセプトが固まったら、具体的な事業計画を立てる段階に入ります。
事業計画を立てるときは、次のような4つのポイントを意識するとスムーズに進むでしょう。

メニューや価格を決める

メニューと価格は、売上に対するシェアを明確化するうえで重要となります。
たとえばカット、カット+カラー、カット+パーマ、ヘッドスパなど、美容室にはさまざまなメニューがあるものです。
設定されたメニューがそれぞれ、売上に対してどのくらいのシェアを占める予定であるか、計算して算出しておきましょう。

売上のシェアが明確になると、1か月あたりの売上を算出しやすくなります。
売上目標に対してどのサービスをどのくらい提供するべきかがわかりやすくなるはずです。
さらにどのようなことが強みとなるのかも見えてくるため、メニューと価格の設定はできるだけ早い段階で行ってください。

初期投資額を算定する

事業計画を立てる際には、初期投資額を算定することもポイントのひとつです。
初期投資額は資金繰りにも関わる要素。
什器や消耗品類、チェア、ミラー、レジスターなど、開業に必要となるものの金額を合計します。
もちろんテナントを借りる際の契約料や保証料、敷金・礼金も初期投資額のひとつです。

また初期投資額の算定は、融資を受けるための参考にもなります。
初期投資額から自己資金額を差し引いた分が融資金額となるためです。
どのくらいの金額のテナントを借りられるかの目安にもなるでしょう。
美容室開業のためのやることリストの中でも、問題なく開業するための欠かせないポイントとなります。

関連記事:美容室開業前にチェックしておきたいやることリストと成功の秘訣

売上と利益の計画を立てる

初期投資額の算定とともに欠かせないのが、売上と利益の計画を立てることです。
売上と利益の計画は、創業融資を受ける際にも必要となる要素となります。

算出するべきなのは、「売上」 「売上原価」 「経費」の3つです。
売上は客単価と座席数、回転数を元にして算出します。
売上原価とは、経営のために必要となる仕入高のことで、たとえばパーマ液やカラー剤などが該当します。

そして経費とは、その他の消耗品類や備品の購入費用のことを指します。
タオルやレシート用紙の購入費、会計ソフトの会員費などが代表的な例です。
3つの要素でどのくらいの金額がかかるか、どれくらい売上を望めるかを考え、売上と利益の計画を立ててください。

返済計画を立てる

もし開業資金を融資してもらうなら、返済計画も立てておかなければなりません。
前項で算出した売上と利益の計画を元にして、想定される利益で実現される返済の計画を立てます。

ただし返済を重視して、キャッシュフローがおざなりになっては経営が危うくなってしまいます。
資金繰りに無理がない程度の返済計画を立てることを重視してください。

関連記事:美容室開業資金のため融資を受けるための流れと審査通過のポイント

やること4:物件を選定する

美容室開業のためのやることリスト4つ目は、物件の選定です。
物件の選定は集客にも影響を及ぼす要素であり、「立地条件」と「建物条件」の2つを意識しながら行いましょう。
それぞれで重要となるのは以下のポイントです。

【立地条件】

  • ターゲットがよく利用するエリアであること
  • 競合店との距離があること
  • アクセスが良いこと

【建物条件】

  • 美容室を経営するために適切な面積・間取りであること
  • 設備が整っていること
  • 改装のための費用や時間を計算できること

物件の選定条件は、経営者の方の理想によって変わるはずです。
たとえば主婦の方をターゲットにするのであれば、店舗面積が狭くても、自宅近くの住宅地の中にあるほうが良いかもしれません。
会社員の女性がターゲットであれば、駅チカでアクセスの良い場所のほうが良いでしょう。

設定したターゲットはどのような美容室に行きたいと考えるかと想定することによって、自ずと適切な物件が見えてきます。

やること5:資金を調達する

美容室開業のために最も重要とも言えるのが、資金調達です。
物件の取得、賃料、改装費用、設備購入費用と、美容室開業のためには多くの費用がかかります。
高額となりがちな開業費用をまかなうには、次の3つの方法で考えてみてください。

自己資金でまかなう

まずはすべてをご自身の貯金や親族から借りたお金などの、自己資金でまかなう方法です。
自己資金でまかなえるなら、資金調達の必要はありません。
もし親族や友人から資金を借りるとしても、金融機関のような利子が発生しないため金銭的負担が軽くなります。

ただし美容室の開業には、1,000万円以上かかることもあるとされています。
自己資金でまかなうことは簡単ではなく、もし貯蓄が十分であったとしても、失敗したときのリスクは大きいでしょう。
十分な金銭が準備できるのであれば、自己資金でまかなう方法で開業しても良いかもしれません。

融資を受ける

自己資金では心もとない場合、融資を受ける方法も考えられます。
融資を受けるなら銀行・信用金庫のほかに、日本政策金融公庫が候補となります。
一度の契約で多額の融資を受けられる可能性があります。

一方で、融資を受けるには、審査に通過しなければなりません。
返済の際には利子が発生するため、受けた融資額よりも多くの金額を支払う必要もありますし、担保や保証人がいなければ融資を受けられないこともあります。

融資を受けることは簡単ではありませんが、それでも開業資金を準備できない方にとっては、心強い資金調達方法です。

補助金や助成金を利用する

もし条件に合うようであれば、補助金や助成金を利用するのもおすすめです。
助金や助成金を利用すると無利子、もしくは低利子となり負担が少なくなります。

しかし補助金・助成金を利用できるかどうかは条件により、審査を通過しなければ利用できないこともあります
申請が必要であり、手続きに手間や時間がかかると感じられることもあるかもしれません。
まずはご自身の状況において利用できる補助金・助成金制度を探し、それでも資金が足りなければ融資を考えるのがおすすめです。

やること6:開業に必要な手続きを進める

美容室開業のためのやることリスト6つ目は、開業のために必要な手続きを進めることです。
開業をするなら、保健所・消防署・税務署と、3つの機関において手続きが必要となります。

保健所での手続き

保健所では美容室の営業許可を得るための手続きを行います。
手続きには美容師免許が必要で、さらにもし2人以上美容師がいる場合には管理美容師がいることも証明しなければなりません。
開業手続きは、サロンの所在地を管轄する保健所にて行われます。
必要な書類が多いため、開業手続きを始める前に確認しておきましょう。

【手続きに必要な書類】

  • 施設の平面図
  • 構造、設備の概要
  • 開設者が法人の場合は、会社の登記簿謄本
  • 有資格者の免許証(提示)
  • 従業員名簿
  • 従業員の健康診断書・店舗の図面(厨房配置入り平面図)2部

出典:J-Net21:理容院

自治体によっては、必要書類が異なることもあります。
手続きに行く際には事前に確認し、書類漏れがないように準備しておきたいものです。

保健所で開業手続きを申請すると、店舗内への立入検査も行われます。
美容室の設備が整っているかを確認するための検査なので、設備を整えた状態で検査を受けることが重要です。

消防署での手続き

美容室開業のやることリストのひとつに、消防署での手続きも含まれます。
店舗内の消防設備が整っているかどうかを確認するためで、以下の書類を提出しなければなりません。

【必要書類】

  • 防火・防災管理者選任届出書
  • 防火対象物使用開始届出書
  • 防火対象物工事等計画届出書

「防火・防災管理者選任届出書」提出の必要性は状況により変わり、30名以上収容できない場合は提出しなくても構いません
もし30名以上収容できる店舗である場合は、延べ面積が300平方メートル未満であるか、以上であるかにより管理者選任の基準も変わります。
もし提出義務が生じるようであれば、消防署で行われる防火管理講習を受講し、管理者としての資格を取得しましょう。

「防火対象物使用開始届出書」は店舗の使用を始める7日前に、「防火対象物工事等計画届出書」は工事着工7日前までに提出してください。
消防署での手続きは期限も決められているため、スケジュールに余裕をもたせて申請することをおすすめします。

税務署での手続き

開業する際に忘れてはならないのは、税務署での手続きです。
税務署に「開業届」と「青色申告承認申請書」を提出すると、確定申告にて青色申告ができるようになります。
白色申告よりも控除額が高くなり、最大で65万円の控除を受けられるため所得税が軽減される仕組みです[1]。

もし青色申告をしないのであれば、開業届は出さなくても構いません。
所得税が軽減されるものの、記帳が複雑になるデメリットもあります。

しかし控除を受けられるのは大きなメリットです。
もし提出するなら、開業後1か月以内に開業届を、2か月以内に青色申告承認申請書を提出してください。

やること7:店舗工事を始める

開業のために必要な手続きを済ませたら、店舗工事を始めましょう。
店舗工事において重要となるのは、消防署の検査をクリアできるようにすることです。
検査の基準を把握して、美容室として運営できる店舗にしなければなりません。

ただし美容室のコンセプトに合った内装・外装であることも大切なポイントです。
美容室としての基準を満たしていることと、コンセプトに合ったデザインであることの両面を考えながら店舗設計と工事を進めてください。

やること8:店舗の設備を整備する

店舗の設備は運営のためにも欠かせませんが、保健所の検査を通過するためのポイントでもあります。
保健所による立入検査では、美容室として必要な設備が備わっていることが確認されるためです。
特に消毒設備に関しては、ぬかりないように揃えておきましょう。

事前に保健所に相談をしたうえで必要となる設備をリストアップし、すべてを揃えるようにしてください。

やること9:スタッフの採用と集客を始める

店舗の準備が整ったら、スタッフの採用と集客を始めるステップです。
もしスタッフを雇うのであれば、まずは次のようなものを作成・準備しなければなりません。

【雇用のための準備】

  • 雇用契約書の作成
  • 就業規則の作成
  • 労災保険・雇用保険・健康保険・厚生年金への加入手続き
  • 源泉所得税等住民税特別徴収届出書等の提出
  • 給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出
  • 安全衛生教育の準備

労働基準法と社会保険法に従って、従業員を雇用する手続きを行う必要があります。
後に年1回の健康診断の実施も行うべきでしょう。

ただしスタッフを採用しても、お客様が来店しなければ意味がありません。
並行して集客活動も徹底してください。
開店に合わせてどのような方法とタイミングで集客をするか計画を立て、SNSや広告媒体を駆使しながら集客を行います。
もちろん集客にかける予算を考えておくことも重要です。

店舗の開店間近になったら、スタッフの雇用と集客活動に力を入れて、来たるオープンの日に備えましょう。

やること10:事前にシミュレーションする

美容室を開業するなら、やることリストの中のひとつに「事前シミュレーション」を設定しておくことをおすすめします。
事前シミュレーションとは、実際にどのように営業するかを想定して、改善点を見つけ出すこと。
オープンの前に家族や友人をお客様として招いて、実際になんの問題もなく営業できるかどうかを確かめてください。
目安としては、1週間ほどあればよいでしょう。

家族や友人であれば、問題が起きても支障がありません。
お客様として接してみて、改善するべきところがあれば万全な状態にしたうえで開店に臨むことが大切です。

やること11:美容室をオープンする

事前シミュレーションで問題がなくなれば、いよいよ美容室オープンです。
しかしオープンはゴールではありません。
店舗のオープンはスタートですので、品質の高いサービスと接客を提供して、ファンを増やすことを第一に考えます。
「無事にオープンしたから」と、油断しないことが成功の秘訣です。

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美容室の開業にかかる費用の相場

美容室の開業には高額な費用がかかります。
これから開業を目指すのであれば、どのくらいの費用が必要となるのかを把握し、資金計画を立てることもポイントのひとつとなります。

設備資金

まず美容室の設備を整えるためにかかる費用は、600~800万円ほどが目安です。
もちろん店舗の面積や工事の内容、揃える設備によって変わります。
しかし店舗の内装を整えて、什器や備品、消耗品類、材料などを揃えると、600~800万円ほどかかることも珍しくありません。

運転資金

運転資金は100~150万円を目安にしておくと安心でしょう。
運転資金とは、美容室の経営が軌道に乗るまでの期間のために確保しておきたい資金のこと。
多めに見積もって、半年から1年ほどの運転資金が用意できれば問題ありません。

美容室の開業を成功させるために

やることリストに沿って美容室を開業したとしても、経営が成功しないこともあります。
それでは美容室の開業を成功させるには、どのような意識が必要なのでしょうか?
成功のためのポイントを3つご紹介しますので、下記の内容を参考にしながら成功する美容室づくりを進めていきましょう。

成功のためのポイント1:ポイントカードを作成する

成功のためのカギとなるのが「ポイントカード」の存在です。
ポイントカードでお得になるなら、「次も来店したい」と思ってくれるお客様が増えるでしょう。
特典はお値引きやプレゼント、施術無料サービスなどさまざまに考えられます。
ポイントカードを作成するとともに、特典の詳細も考えてみてください。

成功のためのポイント2:ホームページを開設する

ホームページの開設は、インターネット時代にあって必要不可欠とも言えることです。
検索で見つからなければ、美容室を探していた近所のお客様を逃してしまうことにもなりかねません。
美容室の雰囲気が伝わるように写真を多く掲載すること、営業時間や料金、メニューなどの基本情報も掲載しましょう。
オープン前にホームページを開設できると、開業時の集客力アップにつながるはずです。

成功のためのポイント3:看板を作成する

お客様に見つけてもらうために欠かせないのが看板です。
美容室の雰囲気を表現できるようなデザインの看板を作成してください。
看板に営業時間や料金を記載しておくと、目を留めたお客様が利用しやすくなるかもしれません。 

美容室開業の前にはやることリストをチェックして

いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでいただくことで、美容室の開業に向けてのやることリストがご理解いただけたと思います。

スムーズに開業をするには事前準備が必要です。
必要な手続きを済ませることはもちろん、お客様にご満足いただけるサービスを提供できる体制を整えることがポイントとなります。
今回の記事でご紹介した内容をひとつずつチェックして、スムーズにオープンを迎えられるようにしましょう。

美容室開業のご支援ならhakoにお任せください。

[1]参照:国税庁:No.2072 青色申告特別控除

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