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フリーランス美容師とは?3つの働き方とメリット・デメリット

2024年09月27日

2024年10月28日 更新

独立や開業を考えている方に向けて、「フリーランス美容師」とはどのような働き方であるかを解説します。

美容師として働いていると、独立や開業を考えることもあるでしょう。
資金面で開業が難しいときにおすすめなのがフリーランス美容師。
しかし「どのように働くのか?」「デメリットはないのか?」と疑問を抱える方が多い働き方でもあります。

そこで今回は、フリーランス美容師とはどのような働き方をするのか、メリットやデメリットとともにご紹介していきます。
参考にしていただければ、フリーランス美容師の具体的な働き方がイメージできるようになるはずです。

フリーランス美容師とは?

「フリーランス美容師」とは美容室や企業に所属せず、「個人事業主」として働く美容師のことです。
美容室を経営している美容師との違いは、店舗を持つか持たないか。
フリーランス美容師とは自分の店舗を持たず、契約を結んだ美容室にて働きます。
会社員を例として考えると、契約社員や派遣社員のようなイメージです。

フリーランス美容師の働き方

フリーランス美容師の働き方は、主に「業務委託」「面貸し」「シェアサロン」の3つにわかれます。
それぞれ一体どのような働き方であるのか、詳しく見ていきましょう。

働き方1:業務委託

「業務委託」とは、特定の美容室と業務委託契約を結ぶ働き方のことです。
フリーランス美容師は契約内容に沿って、求められる業務をサービスとして提供します。
たとえば施術や商材の販売などです。

報酬は歩合制であることが多く、おおむね40~60%程度の歩合率となります。
しかし報酬も契約により決まるためさまざまです。

業務委託契約には労働法が適用されないことから、残業をしたり、契約にない業務を行ったりする必要はありません。
休日や出勤時間も契約時に決められることがほとんどで、自由に働きたい方に向いています。

働き方2:面貸し

美容室の席を借りて、自らのお客様に施術をする形態が「面貸し」です。
面貸しの場合のお客様とは、席を借りている店舗のお客様ではなく自分自身のお客様となります。

報酬は施術をしたお客様からいただいた全額ですが、席を貸してくれている美容室に対して、利用料金を支払う必要があります。
支払い方は取り決めによって決められますが、比較的多く見られるのは「1時間◯円」や、売上に対する歩合です。

ちなみにカラー剤や道具は美容室のものを使うのではなく、すべて持ち込みが基本とされます。
お客様を集客するのが得意な方、自身に多くのお客様がついている方におすすめの働き方です。

働き方3:シェアサロン

フリーランス美容師には「シェアサロン」と呼ばれる働き方もあります。
シェアサロンとはフリーランス美容師が複数人集まり、共同で美容室をレンタルする働き方のことです。
レンタル美容室の中には道具や備品が準備されているところもあり、手軽に自由な働き方をしたい場合に向いているでしょう。

ただし美容室をレンタルするには、やはり利用料金を支払わなければなりません。
支払い方はさまざまですが、次のいずれかの設定となっているところが多く見られます。

【支払い設定】

  • 月額固定利用料金制
  • 月額固定利用料金制+歩合制
  • 時間制

シェアサロンでは1人のフリーランス美容師が1席を借りる前提のため、席と席との空間が広く設けられており、個室制のところもあります。
フリーランス美容師の知り合いがいるなら、検討してみたい働き方です。

フリーランス美容師として働くメリット

それではフリーランス美容師として働くメリットとはどのようなものでしょうか?
主なメリットを3つのポイントからご紹介します。

メリット1:開業費を安く開始できる

まずは費用を抑えながら独立できることです。
一般的に独立とは店舗を持ち、自分自身が経営者になることを指します。
しかし店舗を持つには高額な費用がかかるものです。

一方フリーランス美容師であれば、初期費用をほとんど必要としません。
そのため独立をすることへのリスクが低く、安く、安全に開業できることが魅力です。

メリット2:収入が上がりやすい

収入が上がりやすいこともメリットのひとつと言えるでしょう。
美容室に雇用されている美容師であれば、「固定給」もしくは「固定給+歩合給」で働くことがほとんどです。
歩合給制もありますが、固定給がベースとなっていれば、それほど大幅な収入アップは望めないのではないでしょうか。

しかしフリーランス美容師は、働けば働くほど収入アップを目指せます。
収入についてまとめてみましょう。

【働き方ごとの収入】

  • 業務委託:40~60%程度の歩合制
  • 面貸し:売上の100%
  • シェアサロン:売上に対する還元率80~100%

面貸しやシェアサロンは利用料金を支払わなければなりませんが、報酬は働けば働くほど増える仕組みです。
そして還元率もかなりの高さだといえるでしょう。
業務委託でも、契約によっては歩合率がさらに高くなるかもしれません。
雇用されている美容師よりも、収入が上がりやすいことがフリーランス美容師のやりがいやメリットと言えます。

関連記事:フリーランス美容師の月給はどれくらい?収入目安をチェック

メリット3:自由な働き方ができる

最後に、自由な働き方ができることも大きなメリットです。
美容室に雇用されていれば、出勤する時間や曜日が決められ、残業をしたり、ミーティングに参加したりと制約がかけられます。

しかしフリーランスになれば、自身の好きな時間・曜日に働けます
休みたければ休んでプライベートの充実をはかれますし、たくさん働いて収入アップを目指すのも可能です。
業務委託の場合は多少なりと契約元美容室からの制限を受けるでしょうが、契約の際に希望を提示できます。
より自由な働き方をしたいと考えるなら、フリーランス美容師に大きなメリットを感じられるでしょう。

フリーランス美容師として働くデメリット

フリーランス美容師とはさまざまなメリットのある働き方です。
しかしデメリットがないわけではありません。
独立を目指す前に、メリットだけでなくデメリットについても知っておきましょう。

デメリット1:収入が安定しない

まずは収入が安定しないことが第一のデメリットでしょう。
固定給制でお給料をもらっている美容室勤務の美容師は、一定の収入が保証されています。
しかしフリーランス美容師とは、自身の実力と集客力とで働かなければなりません。
また働かなければ、1か月間の収入がゼロとなることもありえます。

安定した集客ができたり、業務委託契約を結んだりしたフリーランス美容師であれば、ある程度安定した収入を望めるかもしれません。
しかしお客様が来なければ仕事がなく、収入も得られないとのデメリットがあります。

デメリット2:業務以外の雑用が発生する

業務以外の雑用をしなければならないことも、フリーランス美容師のデメリットと言えます。
美容室に勤務していれば、それぞれ担当が決まっており、施術だけに専念できることもあるでしょう。
しかし「フリーランス」と呼ばれる雇用形態は、基本的に1人ですべての業務をこなさなければなりません
集客や営業はもちろん、顧客の情報管理、道具のメンテナンス、施術、売上管理、必要なものの買い出しなどを1人で行います。
美容師の本来の業務は、お客様に施術をしたり接客をしたりすることではないでしょうか。
フリーランスになるなら、本来の業務以外のすべての雑用を1人で行わなければなりません。

デメリット3:スキルアップの機会がない

フリーランスは雇用されずに自由である反面、スキルアップの機会を得られません。
美容室に勤務していると、先輩から技術を学んだり、他の美容師のセンスを取得できたりすることもあります。
しかし1人で事業を行う以上は、先輩や後輩はいません。
そのためスキルアップの機会がなく、美容師として成長しづらいという面があります。

ただしシェアサロンで働く場合、フリーランス美容師が集まって勉強会を開くことも。
また1人でいたとしても、新たな技術や知識を学んだりできないわけでもありません。
積極的に勉強会に参加することにより、カバーできるデメリットでもあります。

フリーランス美容師が向いている人

美容師としての働き方はさまざまです。
雇用されることが向いている人もいれば、フリーランス美容師の方が向いている人もいるでしょう。
それではフリーランス美容師が向いている人とは、どのような人なのでしょうか?
ご自身の働き方に迷ったときは、次の5つのポイントをチェックして、どのような働き方に向いているのか判断してください。

向いている人1:固定客が付いている人

フリーランス美容師が向いているのは、固定客が多く付いている人です。
1人でやっていこうとするなら、「美容室のファン」ではなく、「自分のファン」を獲得していなければなりません。
「自分のファン」がいれば、美容室での雇用にとらわれなくても、「◯◯さんに施術してもらいたい」と思ってくれるお客様がいます。

もしフリーランスに転向したとしても自分の固定ファンがいるなら、報酬を確保できるでしょう。
固定客の人数によっては、雇用されているよりもフリーランスになった方が収入が上がるケースもあります。

向いている人2:自己管理ができる人

続いてのポイントは「自己管理ができる人」であることです。
フリーランスになると、身体やスケジュールの管理もすべて1人で行わなければなりません。
自己管理ができなければ、体調不良で仕事ができなくなったり、スケジュールが詰まってしまったりすることもあるでしょう。
反対になかなか休みを取らずに仕事を続けていれば、身体面・精神面ともに追いつめられてしまうこともあります。

フリーランス美容師を目指すなら、1人でも自己管理ができるかどうか、ご自身に問うてみてください。
休業保証はないため、ご自身でご自身を管理できる能力が必要となります。

向いている人3:積極的に行動できる人

積極的に行動できる人も、フリーランス美容師に向いている人です。
1人で美容師として働くなら、新たな技術や知識を得るためにも積極的に行動をし、自分自身で仕事を獲得しなければなりません。
また積極性がない人であれば、孤立してしまうこともあるでしょう。

フリーランスを目指すなら、ご自身に1人でも積極的に動ける行動力があるかどうかを考えてみてください。
積極的に動いて自分の事業を回していけると思えるなら、フリーランスとして成功できるのではないでしょうか。

向いている人4:ライフスタイルに合わせた働き方を求める人

自由度の高い働き方である「フリーランス」は、ライフスタイルを重視する働き方を求める人にも適しています。
たとえば子育てや介護をしながら仕事をしたい、自分の趣味を優先した働き方をしたいなどと考える人たちです。
フリーランスであれば、ご自身で自由に働き方を決められます
働く時間も曜日も、日数もスケジュールに合わせて組み立てられるので、QOLが向上するでしょう。

向いている人5:集客が苦にならない人

フリーランス美容師に向いている人の最後の特徴とは、集客が苦にならない人です。
1人だけで働く場合、集客も1人でしなければなりません
業務委託であれば美容室に訪れたお客様への施術を行いますが、その他の働き方なら集客できなければ収入が得られなくなります。
SNSやブログで情報発信をしたり、Webサイトにて宣伝を行ったりなどの集客が苦にならない人が向いています。

関連記事:美容室の開業に必要なものとは?開業までの流れと手続きのポイント

フリーランス美容師になるための4ステップ

それではフリーランス美容師になるにはどのようにすれば良いのでしょうか?
一般的には次のような4つのステップを踏みます。

①美容師としての働き方を決める

まずは美容師としての働き方を決めましょう。
美容室で雇用されたり、業務委託でサロンと契約を結ぶ働き方が良いという方もいるはずです。
さらに自由に働きたいなら、シェアサロンや面貸しの方が良いかもしれません。
ご自身がどのように働きたいのかを考えてみてください。

②個人事業主開業届などを提出する

働き方が決まったら、個人事業主開業届など、フリーランス美容師として働くために必要な書類を提出します。
書類は、国税局のホームページから資料をダウンロードするか、もしくは直接税務署に行くことで手に入ります。
記入をしたら、住所を管轄する税務署にて提出してください。

③薬剤や備品を準備する

続いては薬剤や備品の準備です。
業務委託なら美容室にあるものを使わせてもらえるかもしれませんし、シェアサロンでも利用できることがあります。
しかし面貸しの場合はご自身ですべて用意しなければならないため、あらかじめ準備しておきましょう。

④予約管理システムなどを整える

なくても構いませんが、あると大変便利なのが予約管理システムです。
予約管理システムを使えば、ご自身で行わなくても、システムが自動的に予約を管理してくれます。
フリーランス美容師向けのシステムも増えてきているので、本来の業務の時間を確保するためにも導入するのがおすすめです。

フリーランス美容師になるために注意したいこと

最後に、フリーランス美容師になるために注意したいことについて解説します。
これから目指す方は、次の2つのポイントに注意してください。

注意点1:確定申告・健康保険

まずは確定申告や健康保険の管理を自分で行わなければならないことについてです。
毎年の年度末には確定申告書を作り、期限までに提出しましょう。
健康保険は新たに加入する必要がありますので、加入を済ませ、確定申告を忘れないようにしてください。

注意点2:資金繰り

予想される売上と支払いを計算し、資金繰りについて考えておくことも重要です。
働き方によって必要な支払い金額は変わります
資金繰りに問題がないか確認しながら、働き方を検討することも必要かもしれません。

フリーランス美容師の働き方とはさまざま

いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでいただくことで、フリーランス美容師とはどのような働き方かがご理解いただけたと思います。

フリーランス美容師には3つの働き方があり、雇用されている美容師に比べてデメリットがあることも事実です。
しかし自由度の高い働き方を求めている方にとっては、適した働き方となるでしょう。
必要な手続きや注意点を知った上で、フリーランス美容師を目指してください。

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