美容室倒産の現状とは?サロンオーナーが押さえておきたい防止策
2025年02月27日
2025年02月27日 更新

目次
独立してサロンオーナーになる夢を持っている方は、ワクワクした気持ちを抱えていることでしょう。
ですが、その一方で「開業してすぐに倒産している美容室が多いと聞き、不安に感じている」という方もいるはずです。
そこで、美容室倒産の現状を詳しく知りたい方のために、倒産の原因や防止策を解説します。どのようなことに気をつけておけば良いのか、どういった対策があるのかがわかるようになるので、ぜひ参考にしてください。
美容室倒産の現状とは?
各種調査や情報提供を行う株式会社帝国データバンクによると、2024年1月から8月までに倒産した美容業(美容室)の数は139件でした。2023年と比較して約1.5倍で、最も倒産が多かった2019年の166件を大きく上回る数です。(※)
前向きな気持ちで独立を検討している方にとっては厳しい現実ですが、現状を正しく理解しておきましょう。
(※)参考:株式会社帝国データバンク:「美容室」の倒産動向(2024年1-8月)
美容室が倒産する原因
そもそも、なぜ美容室は倒産件数が多いのでしょうか。原因を理解しておくと、それを予防する対策も検討しやすくなります。
ここでは、美容室が倒産する代表的な原因を5つ解説します。
コロナ関連支援の終了
新型コロナウイルスの流行により、美容業界を含めさまざまな業種が影響を受けました。
そこで、国がとった対策が、各種支援の実施です。支援金や給付金を受け取り、お客様が減ってしまった中でも何とか対応できていた美容室も少なくありません。
しかし、コロナ禍の収束に伴い、支援が徐々に終了・縮小し、経営が厳しくなった美容室が数多くあります。これも多くの美容室が倒産してしまう大きな理由です。
人材の不足
美容室が倒産する理由の1つが、人材の不足です。新しく採用した人材を一人前のスタイリストにするためには、当然ながら時間もお金もかかります。
その結果、しっかりとお店に貢献してくれればよいのですが、より条件のよい他店に移ったり、育つ前に辞めたりすることも珍しくありません。
このような状況になると、人手不足につながるだけでなく、無駄なコストも発生します。特に小さな店舗にとっては大きな影響を与えやすい理由です。
競合店の多さ
厚生労働省の「令和5年度衛生行政報告例」によると「美容所」は274,070施設あると報告されています。(※)
ここからもわかるように美容室の数は非常に多く、近隣にいくつもの競合店が存在しているケースもあるでしょう。
美容室として成功していくためには、それらの競合に勝ち、顧客を獲得・維持していかなければなりません。各サロンが工夫を凝らしながら顧客獲得に取り組んでいる中でお客様の奪い合いが起こっている状況です。
その結果、競合店に敗れ、倒産を余儀なくされた美容室も数多くあります。
(※)参考:(PDF)厚生労働省:令和5年度衛生行政報告例の概況[PDF]
原価の高騰
美容業界に限ったことではないものの、多くの事業者を苦しめているのが原価の高騰です。昨今の物価上昇により、美容商材の原価も高騰しています。
顧客数が変わらなくても、原価の高騰によって経営が厳しくなることは少なくありません。
原価が高騰してもそれに比例する形で売上が伸びていけば良いのですがなかなかそうはいかず、倒産を選択しているサロンもあります。
顧客単価の低さ
たくさんのお客様が来店してくれたとしても、客単価が低いと、売上はなかなか安定しません。
高単価のメニューを選んでもらいたいところですが、物価高騰の影響により、お客様も美容室に十分なお金をかけられない状況です。
以前は高単価メニューを選んでくれていたお客様が安いメニューに変更してしまうようなこともあるでしょう。この状況が続くと、さらに顧客単価が下がり、倒産のリスクが高まります。
美容室倒産の防止策
美容室の倒産を防ぐには、どのような対策が必要なのでしょうか。ここでは、5つの方法について解説していきます。
共済制度への加入
独立行政法人中小企業基盤整備機構が管轄している「経営セーフティ共済」と呼ばれるものがあります。倒産防止共済とも呼ばれる制度です。
回収が困難になった売掛金債権の額、または納付された掛金総額の10倍(最大8,000万円)のうち、少ないほうの金額まで、無担保・無保証人で借り入れが可能です。
掛金の額は、毎月5,000円から20万円まで選択できます。
ただ、基本的に美容室は売掛金がほぼないので「取引先が倒産して売掛金債権が回収できなくなり倒産」ということはほぼありません。
倒産防止共済は、掛金を全額経費として計上できるため、節税対策として活用するとよいでしょう。
採用・研修制度の見直し
お客様満足度が低い場合は、求めている基準に達していないスタッフを採用してしまっている恐れがあります。このような場合は顧客離れが進んでしまう可能性が高いため、早期に採用基準の見直しを行いましょう。
また、研修終了後にスタッフが十分な技術を身につけていないようなケースでは、研修制度の見直しも必要です。そのような状態でお客様を担当することになれば、スタッフも不安を感じるようになってしまいます。
結果として離職につながってしまうこともあるので、見直しや改善が必要です。
魅力的な職場環境の整備
スタッフが早期に離職したり、不満を抱えていたりする場合は、職場環境を改善しましょう。
株式会社リクルート ホットペッパービューティーアカデミーが行った美容就業実態調査2024によると、美容職業を辞めた理由として以下が多く挙げられていました。
【辞めた原因】
- 結婚・妊娠・出産のため
- 労働時間への不満
- 給与に関する不満・不安
- 体調・体力面の問題
- 人間関係が良くなかった
参考:(PDF)(株)リクルート • ホットペッパービューティーアカデミー:【美容就業実態調査2024】チャート集[PDF]
結婚・出産といったやむを得ない理由もありますが、人間関係の問題は工夫次第で改善できる可能性があります。
特にサロンではスタッフ同士が協力して業務を行わなければならないシーンも多くあり、人間関係に問題が発生していると日々不安や不満を感じてしまうことでしょう。
働きにくい職場になってしまうため、改善点を見つけ、魅力的な職場環境を整えることが重要です。
独自サービスの開発
競合店にはない独自のサービスを開発しましょう。日本には多くのサロンがあるため、選ばれるには差別化が必要です。
自店ならではの強みがあれば、お客様に選ばれやすくなります。口コミで評判になれば集客につながり、売上の安定も期待できます。
経費削減・業務効率化
削減できる経費は積極的に見直しましょう。例えば、お客様に影響のない消耗品の質を見直すのも一つの方法です。
特に費用がかかりやすいものとして、広告宣伝費が挙げられます。しかし、広告宣伝費は集客に不可欠なため、削りすぎには注意が必要です。
SNSなどの低コストな集客方法に切り替えるのも有効です。
倒産リスクを防ぐため対策を考えておこう
いかがだったでしょうか。今回は、美容室倒産の現状について紹介しました。
倒産を防ぐためにはどのような対策があるかについてもご理解いただけたかと思います。
念願の独立を果たした後、すぐに倒産することがないよう、しっかりと対策を講じましょう。
独立を考えるにあたり不安なことがある場合は、専門家のサポートを受けるのがおすすめです。
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