1人美容室で利益率を上げるためのポイント&集客方法について

2025年02月26日

2025年03月14日 更新

独立・開業を検討している美容師の方に向けて、1人美容室の利益率について解説していきます。
美容師としての経験を重ねて独立したい…と考えたとき、1人美容室を検討する方は多いものです。しかし「どのように経営を進めていけば経営が成り立つのか」「どのくらい経費がかかるのか?」と悩む方も。
そこで今回は、1人美容室で利益率を上げるためのポイントや経営を成り立たせるための基準、集客方法をご紹介します。参考にしていただければ、美容室経営のコツがおわかりいただけるはずです。

美容師の年収と平均月収はいくらくらい?

まずは美容師の年収と平均月収について見ていきましょう。

【美容師の年収と平均月収】

  • 年収:379.7万円
  • 平均月収:26.4万円

出典:jobtag:美容師

ご紹介した年収のデータは、令和5年の「賃金構造基本統計調査」の結果から算出されたものです。また平均月収はハローワーク求人統計データに基づくもので、いずれも雇用されている美容師のデータとなります。
もちろん都道府県によって違いはありますが、美容師の平均的な収入の参考としてください。

1人美容師の一般的な利益率は?

1人美容室の利益率は、一般的に10%前後が望ましいとされています。利益率は次のように計算してください。

利益率 = 利益 ÷ 売上 × 100

利益率は売上と経費から計算されるものです。美容室の集客率や客単価により異なりますが、売上・経費・収入の一般的なデータをご紹介します。

売上

1人美容室の売上は、月の売上金額は50~100万円だとされています。
厚生労働省のデータによると、美容業の1日あたりの平均来店客数は10人です。1日の営業時間は9~10時間が最も多いと報告されました。

出典:厚生労働省:美容業 結果の概要

1人美容室の場合、1人で常に2人のお客様を同時に施術することは少ないでしょう。もちろん2人以上への施術は難しいはずです。以上のことを考えると、1人のお客様に1~2時間ほどの施術時間をかけるとしたら、最大でも10人が限界ではないかと考えられます。
そして、客単価の平均は約6,000円とされています[1]。

1日の最大売上から計算すると、1ヶ月に22日間営業するとして1ヶ月で132万円、年間で1,584万円。
ただし、毎日安定して10人に施術するのは難しいでしょう。一般的には、毎日60,000円の売上を維持するのは難しいでしょう。
結果的に1人美容室での1ヶ月の売上は、50~100万円が妥当でしょう。

月収と年収

1人美容室の利益率から算出できる月収は、1ヶ月に100万円売り上げたとして、515,000円です。そして年収は618万円となります。
売上から経費や国民健康保険、国民年金の支払い分を差し引くと、経営者の収入はこの程度になると考えられます。

もちろん1日に来店する人数が減ればさらに減るかもしれません。メニューの料金設定が高ければ、もっと高収入を狙えるはずです。反対に経費が多ければ1人美容室の利益率は下がり、収入も減るでしょう。
これは1ヶ月の売上が100万円の場合の目安として参考にしてください。

経費

美容室経営にかかる経費と目安の金額は次のとおりです。

【美容室の経費目安】

  • 賃料:150,000円
  • 仕入れ:100,000円
  • 水道光熱費:50,000円
  • 消耗品費:20,000円
  • 通信費:10,000円
  • 広告宣伝費:50,000円
  • 新聞図書費:10,000円
  • 交際費・交通費:10,000円

そのほか、支払利息や手数料がかかることもあるかもしれません。また賃料や仕入れ費用は美容室によって大きく変わることもあるでしょう。
1人美容室の利益率は経費の影響を大きく受けます。利益率を高く保つには、経費削減を意識することも大切です。

1人美容室が経営が成り立つには?

1人美容室の売上や収入について、一般的な目安をご紹介しました。しかし最も気になるのは、どのくらい集客すれば経営が成り立つかではないでしょうか。
そこで、1人美容室の経営を維持するには、どのくらいの売上が必要なのかを見ていきましょう。

1日2~3人

1日に2~3人の来店とする場合、客単価10,000円前後であれば経営は成り立つでしょう。
3人のお客様が来店されたとすれば、1日に30,000円の売上です。もし月に22日同じような営業を続けたとして、660,000円の売上となります。
一般的な1人美容室の売上の範囲からは外れないため、平均的な売上を達成できるはずです。
2~3人の来店を前提とするなら、10,000円の客単価を目指しましょう。

1日5~7人

1日に5~7人が来店する場合、客単価は6,000円でも経営を維持できます。コンスタントに同じ状態が続けば、22日営業をすると仮定して、1ヶ月の売上は660,000円となります。
客単価6,000円は、一般的な美容室の平均客単価。特別なメニューを注文されなくても達成できる客単価といえます。

1日9~10人

1日9~10人のお客様に対応する場合、客単価は5,000~6,000円を目標にしましょう。22日間の営業で1ヶ月の売上は990,000~1,320,000円になります。
1人美容室で9~10人に対応するとなると、かなり忙しくなるはずです。美容室の客単価平均である6,000円を下回るメニューへの対応も増えるでしょう。
客単価を上げるよりも、多くのお客様にスムーズに対応するほうが、経営を安定させやすくなります。

1人美容室が利益率を上げるためのポイント

1人美容室で利益率を上げるには、4つのポイントがあります。
利益率は美容室経営で常に意識すべきポイントです。これらのポイントを押さえて経営を進めましょう。

ポイント1:経費を削減する

まずは経費を削減することから始めましょう。
1人美容室の利益率は、売上と経費のバランスによって決まります。売上がいくら伸びたとしても、経費が多ければ利益は残りません。

特に賃料は毎月必ず支払わなければならず、金額も大きいため、物件選びの段階から利益率を意識したいものです。
そして水道光熱費や通信費も、営業をしていれば必ず発生する経費。設備を節電型・節水型にし、できる限り抑えましょう。

そのほかにも、消耗品費や広告宣伝費など、さまざまな経費がかかります。1人美容室で利益を上げるための第一歩として、経費をできる限り削減することを意識してください。

関連記事:美容室経営における経費の計上方法と削減のためのコツについて

ポイント2:情報を発信し集客する

積極的に情報を発信し、集客を行うことも大切なポイントとなります。
1人美容室は、大手美容室のような知名度を誇ることはあまりありません。そのため潜在顧客に、存在を知ってもらわなければなりません。
そのために必要となるのが、美容室の情報発信です。

チラシを作ってポスティングをしたり、タウン誌に広告を掲載したりする方法もよいでしょう。しかし最近ではウェブサイトやSNSを利用して、手軽に宣伝を行えます。
積極的に情報を発信し、興味を引くことが大切です。

ポイント3:セットメニューを取り入れる

1人美容室で利益率を上げる方法として、セットメニューを取り入れるのもおすすめです。
セットメニューのメリットは、客単価を上げられる点です。

またお客様にとっても、施術全体の料金がわかりやすいメリットがあり喜ばれるはずです。
客単価を上げるためにも、来店のハードルを下げるためにも、セットメニューは効果的ではないでしょうか。

ポイント4:リピーターを獲得する

リピーターの獲得は、経営を順調に進めるうえで欠かせないことです。
リピーター獲得のためには施術時のお客様満足度を高めることはもちろん、リピーター特典を用意することを実践してみてください。
たとえば再来店で利用できるお得なクーポンやポイントカードの導入が考えられます。
1人美容室で利益率を上げるには、リピーターを獲得するための工夫を考えましょう。

1人美容室が利益率を上げるための集客方法

それでは最後に、1人美容室が利益率を上げるための集客方法について見ていきましょう。

方法1:ホームページを作成する

集客の基本はホームページを作成することです。ホームページを作成すれば、どの美容室に行こうか迷っているお客様に多くの情報を提供でき、安心して来店してもらえるでしょう。

特に1人美容室はインターネットでのサービス提供が遅れている傾向があります[2]。大手美容室では40.0%がインターネットでの予約受付を導入していますが、個人経営では9.1%のみです。

出典:厚生労働省:(PDF)美容業の実態の経営改善の方策

しかしお客様にとっての嬉しいサービスは「ネット予約」が最も多かったとの調査報告もあります[3]。

多くのお客様がインターネットを利用して美容室を探したり、予約したりしていると考えられるでしょう。
そのためホームページの作成は、効率的な集客において欠かせないものと言えます。

方法2:SNSを活用する

SNSの活用もおすすめの集客方法です。
SNSでの情報発信は費用がかからず、アカウントさえ取得すればどなたでも今すぐに始められます。特にインスタグラムは画像メインのSNSであるため、美容室の雰囲気や完成したカットをアピールするのに効果的でしょう。

そしてSNSには情報拡散力があるため、自社のフォロワーではない方に情報を届けられる可能性があることも大きなメリットです。
SNSを上手に活用すれば、認知度向上と集客の両方が叶うかもしれません。

方法3:MEO対策を行う

1人美容室の利益率アップには、MEO対策も活用していきましょう。MEO対策とは、マップエンジン最適化を意味し、インターネット上の地図サービスで自社情報を提供する施策のことです。

インターネットを利用して美容室を探す潜在顧客は、多くの場合、地図サービスを利用していると言われています。
またMEOのよさは、SEOによる検索露出が難しくても、MEOであれば検索上位に表示される可能性が高まることです。
近隣で美容室を探している潜在顧客に見つけてもらうために、MEO対策を行うことは有効であると言えます。

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1人美容室では利益率を意識しながら経営を

いかがでしたでしょうか?この記事を読んでいただくことで、1人美容室の利益率についてご理解いただけたと思います。
1人美容室では売上と経費のバランスをとり、利益率10%前後を目指すことが経営のカギです。

もし利益率を上げる方法に悩んでいる、もっと利益率を上げていきたいと思われているなら、ぜひhakoまでご相談ください。
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[1]参照:厚生労働省:美容業 結果の概要
[2]参照:厚生労働省:(PDF)美容業の実態の経営改善の方策
[3]参照:JSTAGE:(PDF)美容室のマーケティング戦略に関する一考察

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