美容室の廃業率は?倒産してしまう主な原因と長期経営のためのコツ

2025年02月27日

2025年02月27日 更新

美容室の独立開業を検討する際、成功できるか不安に感じる方もいるでしょう。
「美容室の廃業率は高いと聞いたが、本当なの?」と疑問に思う方も多いはずです。

残念ながら、美容室の廃業率は低くありません。そこで、美容室の開業に向けて情報を収集している方のため、廃業率について押さえておきたいポイントを解説します。
この記事を読むことでなぜ営業を継続できなくなるのか、長期経営のためにはどうすればよいのかが分かるので、ぜひ参考にしてください。

美容室の廃業率

厚生労働省によると、令和5年度の美容所の数は269,889施設でした。令和元年と比較すると19,648施設増えています。(※1)

一方で、さまざまな調査や情報提供を行う株式会社帝国データバンクが2024年9月に発表したデータでは、美容室の倒産が急増していると報告されています。
こちらの調査では、2024年の8月までに発生した美容業(美容室)の倒産件数が139件、その前年と比較して約1.5倍です。さらに、最も倒産件数が多かった2019年を上回る勢いで推移しているとのことです。(※2)

つまり、施設数は増加している一方で、倒産件数も増加しているのです。

よく言われるのは、美容室は開業から1年以内に60%、3年以内に90%が倒産しているというものです。(※3)この業界で生き残るには、選ばれるサロンとなるための具体的な対策が必要です。それと同時に、廃業の原因について理解しておくことも重要です。

(※1)参考:(PDF)厚生労働省:令和5年度衛生行政報告例の概況[[PDF]
(※2)参考:株式会社帝国データバンク:「美容室」の倒産動向(2024年1-8月)
(※3)出典:J-Net21:美容室

美容室における廃業の原因

そもそも、美容室はなぜ廃業に追い込まれるのでしょうか。さまざまなことが考えられますが、ここでは特に大きな原因として5つ解説します。

後継者がいない

多くの業界で問題となっているのが、後継者不足の問題です。長年の実績があるサロンでも、後継者がいないために廃業を余儀なくされるケースがあります。

家族以外の美容師にお店を任せようと思っても、美容室業界では長年、美容師の人手不足が問題となっており、後継者を確保できないケースも少なくありません。

集客できない

集客がうまくいかなければ、当然ながら売上に影響が出てくることになります。美容室の数は非常に多いので、集客する際には競合に負けないように取り組んでいかなければなりません。

近年はSNSなどを活用した工夫が不可欠となり、従来の方法では顧客獲得が難しくなっています。
集客力不足によりお客様に来店してもらえず、売上不足から廃業につながっていきます。

売上が少ない

売上が少ないことは廃業の直接的な原因となります。近年は物価高騰の影響を受けて原価が高くなり、その結果売上が少なくなっている店舗も多いようです。

一般的に、サロンを開業する際には、ある程度の顧客を確保し、売上を伸ばせる自信を持っている方が多いでしょう。しかし、実際には思っていたほど売上につながらず、苦戦してしまうケースが多く見られます。

資金が足りない

売上が安定しなければ資金不足に陥ります。状況を打破するための対策が取れないようであれば、その先に待っているのは廃業です。
十分な資金があっても、店舗の改装や集客に費用をかけすぎて資金不足に陥るケースもあります。

店舗経営に向いていない

優れた美容師でも、経営者として適性があるとは限りません。サロン経営を安定させるには、店舗経営の専門知識が必要です。
これは美容師に求められる知識とは異なるため、独立開業を目指すなら、店舗経営の知識を身につけることが不可欠です。

美容技術に優れていても、集客方法や経営戦略が分からなければ、事業を成功させるのは難しいでしょう。こうした知識を学ぶ意欲がない場合、そもそも店舗経営には向いていないといえます。

美容室を長く経営するためのコツ

どうすれば廃業することなく、美容室を長く安定して経営できるのでしょうか。ここでは、長期経営のためにも押さえておきたいコツを紹介していきます。

後継者候補を採用・育成する

後継者候補は早い段階で採用し、育成しましょう。家族や親族で美容室を引き継いでくれる人物がいれば良いのですが、そうでない場合は新規に採用しなければなりません。

ただ、美容室は全国的に人手不足の状態です。採用活動をしたからといってすぐに候補が見つかるとは限らないので、早めに取り組んでおくことが重要です。

また、美容師として優秀な人材を採用できたとしても、必ずしもその人が経営者としても適しているとは限りません。もちろん、お店を任せる場合は本人の意向も確認しなければならないでしょう。
採用活動では、美容師の募集だけでなく、経営者候補を探すことを前提に進めましょう。
後継者マッチングサイトを利用する方法もあります。

ターゲットに適した集客方法を選ぶ

集客がなかなかうまくいかず、廃業につながってしまうケースは非常に多く見られます。集客をする際は、ターゲットに適した方法を選びましょう。

ターゲットに「自分に合う美容室だ」と思わせることが重要です。そのためには、先に美容室としてのコンセプトを明確にしておくことが欠かせません。
次に、そのコンセプトはどういったターゲットに対して需要があるのかを考えます。

たとえば、若い世代に響くコンセプトを考えた場合は、同じく若い世代に興味を持ってもらえそうなメニューを加えていくと良いでしょう。また、若い人はSNSの利用率が高いため、この場合はSNSで集客を行うと効果的といえます。
反対に、地域に根差した美容室をコンセプトとする場合は、チラシや新聞広告などでの集客が有効です。

ターゲットやコンセプトを明確にしておくことにより、どのような集客を行っていけば良いのかが見えてきます。

サービスの質を上げる

美容室としての評価を高めるため、サービスの質を上げることも重要です。

たとえば、お客様とこれまで以上に丁寧にコミュニケーションをとるのも良いでしょう。その中でより具体的な希望や悩みを引き出せれば、お客様に満足していただけるメニューの提案やサービスを提供できるようになります。

スタッフを雇っている場合は、トレーニングを強化することも検討してみてはいかがでしょうか。特にスタッフによって提供しているサービスや技術力に差があると感じている場合は、経験豊富なスタッフがしっかりフォローしていくことも大切です。

資金を調達する

仮に一時的に売上が落ちてしまうことがあったとしても、そのときに資金調達ができれば廃業を免れることが可能です。資金調達の方法を慎重に検討しましょう。

すでに手元に運転資金がほとんどない状況になってからではなく、早い段階で経営危機に気づき、資金調達に取り組んでいかなければなりません。

たとえば、日本政策金融公庫では、低金利、無担保・無保証での借り入れが可能です。審査は必要となりますが、資金調達の方法として検討してみると良いでしょう。
他にも、各都道府県には中小企業や小規模事業者の資金調達を支援する公的機関である「信用保証協会」というものが置かれています。どうしても資金調達がうまくいかない場合や、早急に資金調達をしなければならない場合などにも相談してみましょう。

また、普段から資金調達を行い、余裕を持っておくことも大切です。たとえば、新たにメニューを考案した場合などは大きな広告を出すと効果的ですが、資金がなければ広告も出せません。

資金調達は容易ではないため、開業時に資金を使いすぎないよう注意しましょう。たとえば、設備や内装にこだわりすぎてしまったために資金を使い切り、その後売上が安定するまで持ちこたえられなかったというケースもあります。

経営スキル習得やコンサルを検討する

美容師としての腕があっても、資金や集客、経営に関する知識がない方もいるでしょう。しかし、オーナーとして店舗を経営する以上、これらすべてに精通する必要があります。
経営に必要なスキルが不足していると感じるのであれば、セミナーなどに参加してオーナーに必要な知識を学びましょう。

また、美容業界はトレンドの影響を大きく受けるため、最新情報を得られるセミナーやイベントに継続的に参加することをおすすめします。

経営スキルの習得には時間がかかるため、難しい部分はコンサルタントへの相談を検討するのも一案です。特に経営初心者は、自身の判断が正しいか不安に感じることもあるでしょう。
コンサルタントを活用すれば、専門的な視点での助言を受けられるため、心強いでしょう。

長く経営するためのコツは開業前に確認を

美容室の独立開業を検討した際に確認しておきたい廃業率の問題や、長く経営するためのコツを紹介しました。注意すべきポイントについて、理解が深まったのではないでしょうか。
経営状況が怪しくなってきてから対策を取っても間に合わないことがあるので、長期経営のコツについては事前に確認しておきましょう。

廃業を避けるためには、専門家からのアドバイスやサポートを受けることも重要です。美容室開業の支援・美容師独立支援のhakoでは、美容室経営に関する多様なサポートを提供しています。
独立・開業を目指している方はぜひご相談ください。

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