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シェアサロンで開業するなら絶対に知っておきたい基礎知識

2024年09月27日

独立・開業を考えている美容師の方に向けて、シェアサロンを利用した開業について幅広く解説します。

「独立したい」と考えたときに、選択肢のひとつとなるのが「シェアサロン」です。
しかし独立するにはその他にも選択肢があります。
また「どのようなサービス?」「かかる費用は?」「開業の流れは?」「必要な手続きは?」など、不明点も多いのではないでしょうか?

そこで今回の記事では、シェアサロンで開業するための流れや費用、メリット・デメリットをご紹介します。
参考にしていただければ、シェアサロンでの開業についてトータルで知識を深めていただけるはずです。

シェアサロンとは

「シェアサロン」とは、複数のフリーランス美容師が店舗を共有するタイプの美容室です。
店舗をまるごと貸してもらえるため、好きなように利用できます。
また鏡やチェアなど施術に必要なものが一式揃っていることも多く、大掛かりな準備をしなくて良いところもメリットです。
シェアサロンは昨今において、フリーランス美容師が働く場として需要が高まってきています。

シェアサロンとレンタルサロンの違い

シェアサロンとレンタルサロンは、美容室を貸し出す点でとてもよく似ています。
しかし次のようなことについて違いがあるため、開業の際にはご自身に合ったほうを選ぶことが大切です。

【シェアサロンとレンタルサロンの違い】

  • レンタルサロン:1つの部屋を美容室として貸し出す
  • シェアサロン:1つの店舗を複数人の美容師で共有(シェア)する

レンタルサロンは1人で利用するのが前提ですが、シェアサロンは複数人で1つの美容室のように利用するようになっていることが違いです。
いずれも美容室としてスペースを貸すことに変わりはありません。
また備品や施術に必要となるものがすでに設置されていることも共通しています。
中には「レンタルサロン」と同じ意味合いで「シェアサロン」を提供している場合もあるでしょう。

しかし本来の意味合いとしては、1人で借りるか、複数の美容師で借りるかとの違いがあります。

シェアサロンの需要が伸びている理由とは

昨今は開業を目指す方の間で「シェアサロンの需要が伸びている」と言われています。
以前であれば少し特殊な立ち位置であったかもしれないシェアサロンで、需要が伸びているのには、次のような2つの理由があります。

理由①フリーランスが増加しているため

ひとつめの理由は、フリーランス美容師が増えていることにあります。

働き方が多様化してきたうえに、スマホやSNSによって集客が容易になった現在、フリーランス美容師は増加してきています。
さらにフリーランス美容師の増加に伴い、シェアサロンの件数も増えてきている傾向です。
そのため「フリーランス美容師がシェアサロンを使って営業をする」との形式が、一般的になってきているのが理由としてあげられるでしょう。

スマホを使って施術の実績や写真、動画、広告をSNSに載せれば、美容室に所属していなくても簡単に集客できる時代です。
場合によっては美容室に雇用されているよりも高収入を狙えるため、フリーランス美容師が増えるのは当然の結果と言えます。

しかしフリーランスであれば、施術をする場所が必要です。
結果的にフリーランス美容師が求めるシェアサロンの需要が高まってきています。

理由②美容業界で競争率が高くなっているため

もうひとつの理由は、美容業界での競争率が高くなっていることにあります。
美容業界は競合の多い業界です。
しかし開業するには、平均1,000万円と言われるほどの高額な資金が必要となります[1]。
1,000万円の資金を費やしたのに廃業との結果になれば、開業のためのリスクはかなり大きいと言えるでしょう。

しかしシェアサロンであれば、開業資金は不要です。
毎月の利用料金を支払うだけで、独立した美容師として働くことができます。
店舗を借りているため、万が一フリーランス美容師を辞めたいと考えたときにもリスクがありません。
美容業界で競争率が高くなっていることから、店舗に所属したいと考える美容師が減少傾向であることもあり、でフリーランス美容師を目指す方々から需要を集めています。

関連記事:シェアサロンのデメリットメリットと開業前に知っておきたい基礎知識

シェアサロンを利用して開業する際の流れ

これからシェアサロンを利用して開業・独立を目指すなら、そのための流れを知っておくとスムーズに進みます。
大きく分けると3つのステップに分かれるので、それぞれについて見ていきましょう。

STEP1:物件を探す

まずは物件探しです。
利用しやすい物件を探すことが第一ですが、そのためには4つのポイントを意識しましょう。

【物件探しのポイント】

  • 使いやすい予約システムが導入されていること
  • 決済方法が豊富であること
  • 利用料金が適切であること
  • ターゲットが利用する立地であること

物件探しをするには、システムと料金設定、そして立地を確認したうえで決めるようにしてください。
予約システムが使いやすいことや決済方法が豊富であることは、日々の営業をスムーズにするために欠かせません。
ただしどれほど使いやすいシステムが導入されていても、利用料金が割に合わなければ利益が少なくなってしまいます。
売上を想定したうえでどの程度の割合で利用料金を支払わなければならないか計算してみましょう。
使いやすさと料金のバランスが取れている物件が理想的です。

そしてもうひとつ意識したいところが、ターゲットが利用する立地であるかどうかです。
シェアサロンを開業するのであれば、「どのようなお客様に向いているサロンか」が想定されていることでしょう。
もし主婦の方をターゲットにするなら住宅地に近い方が良いはずですし、学生なら大学の近くが狙い目です。
物件を探す際にはシステムの使いやすさ・料金設定の適切さ・ターゲットの行動範囲内の立地であることを意識しながら選んでください。

STEP2:開業届を提出する

シェアサロン開業のための物件が見つかったら、開業届を提出しましょう。
開業届はシェアサロンがある地域を管轄する税務署に、開業してから1か月以内に提出するのが原則です。

税務署にいかなくても、国税庁の公式サイトから書式をダウンロードし印刷することも可能なため、郵送で送ったり、インターネット上から届け出を出したりもできます。
開業準備中は何かと忙しいでしょうから、インターネットを利用すると便利です。

関連記事:美容室を始める前に理解しておきたい開業届の必要性と書き方

STEP3:集客する

開業に向けての集客も忘れてはならないステップです。
集客をしなければ、シェアサロンを開業してもお客様は来てくれません。

集客方法はさまざまにありますが、SNSやブログで情報を発信したり、タウン誌に広告を載せたりする方法があります。
チラシを作成して近隣住宅にポスティングしても良いでしょう。
もちろん開業前に、公式サイトも作っておきたいところです。
集客方法によっては高額なコストがかかるため、費用対効果が最も高いと思われる方法で集客を行ってください。

シェアサロンを利用して開業するのにかかる費用相場

シェアサロンを利用して開業するときの相場は、およそ50,000~170,000円とされています。
しかし料金形態は大きくわけて5つにわかれており、設定によりかかる費用も変わるでしょう。

【シェアサロンの料金形態】

  • 時間制:1時間あたりの料金が決まっており、サロンの利用時間に応じて料金が加算される
  • 月額制:利用状況や売上に左右されず、1か月あたりの定額料金を支払う
  • 歩合制:設定されたパーセンテージ分の料金を売上に応じて支払う
  • 月額制&歩合制:1か月あたりの料金が決まっており、さらに売上に応じたパーセンテージ分の料金が加算される
  • 時間制&歩合制:1時間あたりの料金が決まっており、さらに売上に応じたパーセンテージ分の料金が加算される

それぞれの料金形態にメリット・デメリットがあります。
時間制であれば短時間の施術では利用料金が安くなりますが、毎日長時間の施術をするなら月額制の方が良いでしょう。
また歩合制は、売上が少ない期間の支出が減らせるものの、売上が上がると利用料金も増します。

そのためシェアサロンでの開業費用の相場は一概には言えません。
たとえば歩合制のサロンで売上が多ければ、利用料金はさらに高額になることもあるはずです。
50,000~170,000円が目安とはされていますが、ご自身の営業形態に合わせればより抑えられる可能性もあります。

シェアサロンを利用して開業するメリット

美容師が開業をするなら、自身の店を持つ選択肢もあります。
それではシェアサロンを利用して開業するメリットとはどのようなものでしょうか?
3つのメリットについて、具体的にご紹介していきます。

メリット①初期費用・固定費を抑えられる

最大のメリットとも言えることが、初期費用や固定費を抑えられることです。
店舗を持つとなれば、テナント取得費用や工事費用、設備・備品代などがかかり、初期費用が高額になります。

しかしシェアサロンであれば、テナント取得費用はかかりません。
毎月の利用料金を支払えれば、店舗にて施術ができます。
さらに施術に必要な設備・備品類が揃っていることも多く、ほとんど費用をかけずに開業できることが強みです。

美容室の開業には平均的に1,000万円ほどかかります[1]。
1,000万円という高額な費用を支払わずとも開業できるシェアサロンには、コスト面において大きなメリットがあると言えるでしょう。

メリット②立地が良い場所を選べる可能性がある

立地場良い場所を選べる可能性があることもメリットのひとつです。
シェアサロンは店舗を貸すことが業務であるため、美容室に適した立地に店舗を展開していることが少なくありません。

美容室の開業が成功するかどうかは、立地が大きな影響を与えます。
競合が少ない場所であったり、ターゲットとなりそうな人が多く集まるような場所、アクセスの良い場所が有利でしょう。
しかし自身で立地の良いエリアに出店しようとすると、賃料が高くなる傾向があります。

その点、立地の良いシェアサロンであれば、賃料を支払うよりも費用を抑えながら開業できる可能性が高まります。
目的にあった立地も選びやすいため、美容室経営をスムーズにするための一助となるはずです。

メリット③低リスクで始められる

最後に、低リスクで開業できることもシェアサロンの強みと言えます。
店舗を持つには、テナント貸借費用、設備・美容機器・什器・消耗品類などをイチから購入しなければなりません。
約1,000万円が必要[1]であるとされる美容室開業は簡単ではなく、失敗したときのリスクも大きいものです。

シェアサロンであれば初期費用はほとんどいりません。
時間制のサロンであれば1時間あたり数千円程度の利用料金を支払うだけで開業できます。
もし廃業したとしても、シェアサロンとの契約を終わらせるだけで完了です。

どのような業種でも開業にはリスクがともなうことがほとんど。
しかしシェアサロンであれば、リスクを限りなく抑えながら開業できるメリットがあります。

シェアサロンを利用して開業するデメリット

シェアサロンを利用して開業することには、メリットもありますがデメリットもあります。
あらかじめデメリットも知っておけば、どのような方法で開業するかの判断材料ともなり、また事前に対処も練れるでしょう。

デメリット①自由度が低くなる

第一に、自由度が低くなるデメリットがあります。
ご自身が保有する店舗であれば、外装から内装、美容機器のラインナップまで、すべてを好みにあわせられます。

しかしシェアサロンを利用するなら、外装や内装は変更不可です。
また施術も、ルールに基づいて使用しなければなりません。

そのため「やりたいことができない」「雰囲気が求めているものとあわない」などの不満が生じることもあるでしょう。
一戸建てと比較した賃貸マンションのようなものです。
制限がかかることから、自由度が低くなるのはシェアサロン開業における大きなデメリットとなります。

デメリット②借りたいときに借りられない場合がある

シェアサロンは借りたいときに借りられないことがあります。
希望する時間に、他の美容師がすでに借りてしまっているケースが考えられるためです。

記事の最初に解説したように、昨今ではシェアサロンの需要が高まっています。
今後もさらに利用者が増えるかもしれません。
特に直前で予約が入った場合は、借りたくても借りられない状況になる可能性があることを知っておいてください。

デメリット③集客しづらい可能性がある

最後にご紹介するデメリットは、集客のしづらさについてです。
シェアサロンはあくまでも借りているものであり、経営者自身が持っている店舗ではありません。
そのため存在自体を知ってもらいにくい傾向があります。

SNSや公式サイト、チラシ作成、ポスティングなどを行っても、なかなか新規顧客獲得に苦労するでしょう。
また集客はすべて1人でしなければなりません。
美容室のように組織ではないため、集客をするための時間が捻出できなくなるケースも考えられます。

シェアサロン開業にはさまざまなメリットがあります。
しかしその反面、集客がしづらく利益アップが大変になるかもしれないデメリットもあるのです。

シェアサロンを利用して開業する際の注意点

デメリットがあることも事実ですが、やはりメリットも多いシェアサロンでの開業。
これからシェアサロンを利用して開業を目指すなら、あらかじめ次の2つの注意点について把握しておいてください。

注意点1:キャンセル料が発生する

シェアサロンの予約をした後にキャンセルをすると、キャンセル料が発生することに注意しましょう。
キャンセル料の規定はサロンによって変わるでしょうが、当日キャンセルであれば利用料金の100%か50%となることがほとんどです。

施術料金を受け取れないのに利用料金を支払わなければならなくなれば、ただの損失となってしまいます。
お客様にキャンセル料を支払ってもらうルールにもできるでしょう。
しかし集客面を考えると、難しいかもしれません。

できる限りキャンセルが発生しないように工夫をすることが大切だと言えます。
たとえば予約の3日くらい前にリマインドの連絡をする、「絶対に行きたい」と思えるようなサービスや接客を心がけるなどです。
キャンセル料で利益が削られないように、できそうな対策法を考えましょう。

注意点2:一部の備品は自分で用意する必要がある

シェアサロンの中には、一部の備品を自分で用意しなければならないところもあります。
一通りの備品は揃っていますが、施術内容やサービスによっては、付属の備品ではできないこともあるかもしれません。
もし不足するなら、その他の備品を購入する手間と費用が必要となります。

お客様用のドリンクを入れるためのグラスやポット、タオルなども用意されていないことがあります
細かな備品はシェアサロン開業前に、ご自身で揃えておかなければならないことに注意が必要です。

シェアサロンでの開業は低コスト・手軽で人気!

いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでいただくことで、シェアサロンを利用した開業についてご理解いただけたと思います。

シェアサロンにはチェアやシャンプー台などの設備がすでに設置されており、工事も不要なため、低コスト開業に向くサービスです。
すぐに開業したい方にとっても手軽であり、昨今ではフリーランス美容師から人気を集めています。
ただしデメリットもありますので、ご紹介した内容をよく参考にしていただき、独立・開業のために最も適した選択をしてください。

美容室開業のご支援ならhakoにお任せください。

[1]参照:J-Net21:美容室

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