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美容室の開業にあたって保健所に必要な届け出とは?

2024年09月27日

2024年11月19日 更新

美容室の開業には、保健所への届け出が不可欠です。事前相談を行い、必要書類の準備から立ち入り検査など、いくつかのステップを経て美容所適合確認書が発行されます。

この記事では、保健所への届け出の基本的な流れや必要書類、立ち入り検査のポイントについて詳しく紹介します。美容室の開業を予定されている方は、ぜひ最後までお読みください。

美容室開業に際して保健所の申請以外に義務づけられているアクション

美容室を開業するときは、いくつかの義務的なアクションがあります。

  • 保健所への申請(美容所登録)
  • 店舗設備の整備
  • 消防設備の整備
  • 社会保険・労働保険の手続き
  • 税務署への届出

まず保健所への申請が必要です。美容所としての登録を行い、営業を開始するための許可を得なければいけません。次に、店舗設備の整備が求められます。美容室として適切な設備を整えましょう。

さらに、消防設備の整備も欠かせません。万が一の火災に備え、適切な防火対策を講じます。

また、社会保険や労働保険の手続きも重要。従業員を雇用する場合、これらの保険に加入し、適切な手続きを行う必要があります。そして、税務署への届出も忘れてはいけません。

いくつかのアクションを経て、美容室が開業できます。この記事では、対保健所関連の手続きにフォーカスしています。

保健所への届け出の流れ

美容室を開業するにあたり、保健所へ届け出を提出しなければいけません。提出する流れは、以下を確認してください。

  1. 事前相談
  2. 必要書類の提出・検査料支払い
  3. 立ち入り検査
  4. 美容所適合確認書の受領

順番に解説していきましょう。

ステップ➀事前相談

美容室を開業するためには、最初に保健所への事前相談が欠かせません。美容室の構造設備には多くの規定があり、要件を満たす必要があるのです。

例えば、作業室の床面積が最低13平方メートル以上であること、床や腰板に不浸透性の材料を使用することなどが挙げられます。これらの基準を事前に確認しておくことで、後から改善を求められるような問題を避けられるでしょう。

事前相談では、まず開業する場所が規定に適合するか確認します。また、内装工事を依頼する業者は、美容室の開業経験が豊富な業者を選びましょう。さらに、内装デザインが決まった段階で、工事に入る前に図面を持って保健所に相談すると良いでしょう。

工事前に保健所の指摘を受けることで、改善が容易になります。地域によって構造設備の基準が異なるため、必ず開業予定地を管轄する保健所で相談してください。

ステップ②必要書類の提出・検査料支払い

事前相談を終え、内装工事が完了して開業の準備が整ったら、次は保健所に必要書類を提出し、検査料を支払います。提出する書類には、開設届や構造設備の概要、医師の診断書などが含まれます。書類が多いため、提出前に漏れがないかよく確認しましょう。

また、書類の提出時に検査手数料も支払います。事前に必要な金額を確認し、現金で準備しておくとスムーズでしょう。書類提出後は、立ち入り検査の日程を調整します。検査には通常1週間程度かかるため、余裕をもって営業開始の日程を計画してください。

届け出と検査料の支払いは、開業予定日の10日から14日前までに完了させておくのが理想的です。

ステップ③立ち入り検査

届け出を提出後、指定された日時に保健所の立ち入り検査が行われます。この検査では、保健所の職員が実際に店舗を訪れ、提出された書類に基づいて規定が遵守されているか細かく確認します。

内装や構造設備に関する基準だけでなく、消毒設備や毛髪箱などの衛生設備もチェック対象。営業開始時に実際に使用する全ての設備や備品を事前に準備し、使用方法を把握しておきましょう。

美容室はお客様の肌に直接触れるケースが多いため、衛生管理体制が厳格にチェックされます。換気設備、照明、汚物箱、毛髪箱などの設置状況も確認され、いずれかの基準に不適合な点があれば是正が求められ、適合と判断されるまで営業を開始することはできません。

ステップ④美容所適合確認書の受領

立ち入り検査で全ての基準を満たしていると確認された場合、「美容所適合確認書」が発行されます。この確認書は、営業開始の許可証として店舗内に掲示する必要があります。

通常、検査合格後2〜3日以内に保健所から連絡があり、早ければ翌日に発行されるケースもあるでしょう。確認書の受領は保健所の窓口で行い、申請者本人が受領印を持参して受け取りましょう。

美容所適合確認書の受領をもって、美容室は正式に営業を開始できます。なお、開業後も保健所による抜き打ち検査が実施されることがあるため、常に衛生管理を徹底し、適切な運営を心がけましょう。

保健所への届け出にあたって必要な書類

保健所への届け出に関する必要書類は、以下の5つを準備します。

  • 開設届
  • 従業者名簿
  • 構造設備の概要
  • 医師の診断書
  • 登記簿謄本

内容や提出時のポイントについて見ていきましょう。

➀開設届

開設届は自治体ごとに書式が異なり、自治体のホームページや窓口で入手します。開設届を取得する際に、その地域での美容室開設基準について、事前に相談しても良いでしょう。

開設届には、以下の情報を記入します。

  • 開設者(オーナー)の住所・氏名
  • 施設名
  • 施設所在地
  • 開設予定日

開設届と付随する添付書類の提出および、立ち会い検査をクリアするまでは営業を開始することができません。不備がある場合は再提出が必要となり、希望する開業日に間に合わないケースもあるため、早めに準備を進めましょう。

関連記事:美容室を始める前に理解しておきたい開業届の必要性と書き方

②従業者名簿

従業者名簿には、以下3点を記載します。

  • 従業員の氏名
  • 美容師免許証の取得年月日および番号
  • 管理美容師資格認定講習会の修了証書の取得年月日と番号

美容師として勤務するには、美容師免許が必須。免許は国家資格であり、美容室での勤務に加え、フォトスタジオのスタイリストやフリーランスとしても活動できます。

美容師免許の取得は簡単ではありませんが、美容師としての基礎知識を身につけるための重要な試験と言えるでしょう。

従業員の美容師免許証・管理美容師資格も必要

従業者名簿とともに、従業員全員の美容師免許証の本証、管理美容師資格をもつ従業員の講習修了書も提出します。管理美容師は、衛生管理を目的として必要な資格であり、従業員が常時2人以上いる美容室に義務付けられています。

従業員が1人の場合は不要ですが、今後従業員が増える可能性がある場合は、資格の取得を検討しておきましょう。管理美容師の資格を取得するには、美容師免許を取得後、3年以上の実務経験と指定された講習会科目の履修が必要です。

③構造設備の概要

構造設備の概要は、店舗の基本情報や立ち入り検査でチェックされる項目を記載します。施設の平面図や周辺の見取り図を添付すると良いでしょう。平面図は内装工事業者から提供してもらい、周辺の見取り図はインターネットで地図を印刷したものを利用すると、正確で分かりやすくなります。

各自治体で基準が異なるため、美容室を開業する地域の基準を必ず確認してください。特にビルの一区画で営業する場合は、フロア図面も必要です。

賃貸の場合は、ビルの管理会社に確認しフロア図面を入手しましょう。構造設備の概要をしっかりと整えると立ち入り検査がスムーズに進み、開業に向けた手続きを円滑に進められます。

④医師の診断書

必要書類の一つに、医師の診断書も用意しなければいけません。美容室の衛生管理に、美容師の健康状態が関わるためです。

美容師が感染症を患っている場合、安全な営業ができなくなってしまいます。そのため、医師の診断書により、美容師が結核や伝染性皮膚疾患などの感染症にかかっていないことを証明する必要があるのです。実際に働く美容師全員の診断書を準備しましょう。

医師の診断書は一般的な内科で取得できます。診断書の書式は特に決まっていないため、発行してもらう病院の書式で問題ないでしょう。発行費用は病院によって異なりますが、通常は3,000~4,000円程度です。

診断書の有効期限は発行から3ヶ月ですので、開業予定日から逆算して期限が切れないよう注意して取得しましょう。

⑤登記簿謄本

法人で美容室を開業する場合は、登記簿謄本(登記事項証明書)も必要です。登記簿謄本は、会社名や本店所在地など法人の基本情報を証明する書類で、発行から6ヶ月以内のものが求められます。全国の法務局やオンラインで取得しましょう。

登記事項証明書は「現在事項証明書」と「履歴事項全部証明書」の2種類で、前者は現在有効な情報のみが記載。後者は過去の変更事項も含まれます。どちらが必要かは管轄の保健所に確認しておくと安心です。

以上の書類を準備し、スムーズに開業手続きを進めましょう。

関連記事:美容室開業の基本的な流れと開業時に求められる各種届出

保健所の立ち入り検査に合格するためのポイント

保健所の立ち入り検査に合格するには、事前に構造設備基準や衛生設備基準をしっかりと理解し、準備を整えることが大切。ここでは、検査に合格するための具体的なポイントと注意点を解説します。

構造設備基準をクリアするステップ

構造設備基準には、店舗の内装や設備に関する細かな規定があります。これらを理解した上で、物件の選定や店舗内装デザインを進めましょう。

例えば、作業室の天井高や水回りの設備など、建物の構造に関連する項目も含まれています。内装の設計段階でこれらの基準を満たすよう、必ずチェックしながら進めていきましょう。

衛生設備基準をクリアするステップ

美容室では、お客様の頭髪や肌に直接触れる器具が多いため、感染症予防のための消毒は必須です。消毒器具だけでなく、薬液を使った消毒時に必要な備品も準備しましょう。

例えば、フタ付きの消毒用バット、器具洗浄後の乾燥用容器、消毒薬の希釈に使うメスシリンダーなどがあります。これらを消毒設備の近くに常備しておくと良いでしょう。

また、美容師法や理容師法では、ハサミやくしなどの器具を使用後に十分洗浄し、消毒することが義務付けられています。そのため、消毒方法なども事前に把握するべきでしょう。

美容室開業の際には保健所への申請を忘れずに

いかがでしたでしょうか?美容室の開業に必要な、保健所への届け出についておわかりいただけたかと思います。

事前相談から必要書類の提出、立ち入り検査を経て、美容所適合確認書の受領までの一連の流れを把握し、スムーズに開業手続きを進めてください。

当サイトでは、ほかにも美容室の開業に役立つ情報を提供しています。ぜひ参考にしてみてください。

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